リスニング

共通試験英語のリスニング対策、効果のでる勉強法

リスニング

2021年の試験から大学入試改革の一つである共通試験が始まります。

その中の目玉の一つが英語の配点の変化です。

リスニングとリーディングの得点配分が同じになり、リーディング100点リスニング100点になります。

これまでのセンター試験入試だと点数は、4分の1だったので、

あまり対策をしなくてもセンター利用をすることができたのですが、

共通試験で滑り止めを取りたい!という人、一般入試で代わりに使いたい人にとってはリスニングは重要な関門となってくるでしょう。

もし苦手な人は、本記事を読んで対策を立ててみましょう。

共通試験リスニング全体の戦略

まずは細かい部分に行く前に、共通試験リスニング全体で使える対策、勉強法をお伝えします。

選択肢は違いに着目

リスニングはどの試験でおいても、選択肢の早読みが勝負の分かれ目となります。

どの試験でも言えることですが、共通試験のリスニングにおいては、ことさら重要になってきます。
先読みはただ見ているだけでは、効果は薄いです。

選択肢の見方のポイントは、

違いに着目することです

具体的に見ていきましょう。下の選択肢を見てください。

ここでは主語は同じですね。
なので、主語以降の動詞+目的語に着目してください。

この違いを、最初の先読み段階で頭に入れて内容を推測して、問題を聞いてください。

なぜ、先読みをするのか?

「リスニングの試験だから、ちゃんと聞ければ解けるはずですよね!?」
という人も多いのですが、リスニングは聞く試験ではありますが、一方で設問に答える試験でもあります 。
どのようなことが聞かれるのかあらかじめ頭に入れて、聞いていくのと何も情報を入れずに聞くのでは理解度が異なります。
どのような点に着目して聞いたら良いのかがわかるのと、そうではないのでは異なってくるのです。

また問題によっては、あらかじめ先読みをしておくことでどのように文章が流れるのかわかる問題もあります。聞く前に文章の流れがわかるというのは、犯人のわかる推理小説を読むようなもので、簡単に理解することができます。

以上のことから、試験において先読みをせずにリスニングを行うのは、全くの論外の行為だということがわかりますね。

苦手な人は大問1-3、6A(60点)を絶対に落とさないようにする

英検とは違って、TOEIC,TOEFL,IELTSセンター試験(今回の共通試験も同じ!)といったレベルが異なる学生を対象にしている場合、問題の難易度に大きな落差があります。

なぜなら、そのように問題を作らないと、できない人が0点になってしまうからです。

なので、まずリスニングが苦手!という人は、大問1-3、6A(合計60点分)の部分をできるようにしながら練習を積んでいくと良いでしょう。

後ほど詳しくお伝えしますが、この部分の問いは対策で点数が必ず取れるようになる部分です。

リスニングの展開パターンを覚える

リスニングに限らず、読解も同じですが、、論理の展開パターンというものがあります。

展開パターンとは、要は話の筋書きです。

英語には典型的な話のあらすじがあります。

この話の筋をわからずに、

多くの人が単語が一語わからないだけで迷子になってしまうのですが、

このようなパターンをわかっておくと、たとえ単語がわからなくても迷子にならずになることが多いです。

覚えておいて損はないでしょう。代表的なパターンを記載していくので覚えておいてください。

*ここで述べたパターンは、一つだけで使われるだけでなく複数組み合わせて使われることがあります。

一般論→反論型

一般論を最初に述べてその後に、筆者の意見を述べていくタイプです。

キーワードはSome people や他の人が主語になって考えや意見を述べていたり、

助動詞のmay,might、It is true,などの譲歩を表す言葉が来た場合です。

主張→説明型

一番多いパターンがこちらのパターンです。絶対にこちらのパターンを聴けるようにしてください。

自身の主張を述べて、その後説明を述べていくものです。

説明とは、具体化をするか、理由を述べていくの2パターンです。

英語のルールとして原則、ディスコースマーカーが来るまでは同じことを述べているというルールがあります。

リスニングでの練習のコツ

文章同士を理解して聞きながら、同じ文章として処理できるようになるにはただ聞いているだけではできるようになりません。
何度も読み込んだ文章を使って、聞いて文章同士を同じものとして捉えられるようになりましょう。

日本語で説明している本は少ないのですが、このあたりの本に詳しく載っているのでさらに知りたい方は読んでみてください。

やさしめ
英語でロジカルシンキング

難し目
読む技術書く技術

今回、紹介したのは演繹型の論理の発展の仕方(抽象→具体)ですが、帰納型(具体→抽象)で発展していく場合もあります。

最初が具体例から始まった場合は、まとめとなる部分(抽象)がないか注意して聞いてください。

列挙型

主張説明型の別パターンではありますが、独特なのでこちらも紹介しておきます。最初に「理由は◉個あります」と述べて後に列挙していくというパターンです。

firstなどの特徴的な言葉を使うのでわかりやすいです。 塊を掴むことができれば、そこまでで言っていることをメモしていきましょう。

時系列型

共通試験では大問5の講義形式の問題で出てくることが予想されます。

時代ごとにまとまっているので、わかりやすいですね。

時系列で順番に出てくることもありますが、時代が混ざることがあるので注意してください。

共通試験リスニングの設問ごとの分析

ここまでで共通試験全部の問題に共通する聞き方、解き方を紹介してきました。

続いては、各設問ごとの特徴を踏まえてどのように解いていくのが良いのかをみていきましょう。

共通試験リスニング大問1の分析

まずは大問1からみていきましょう。

大問1の特徴

– 短い一方的な会話
– A問題
– 会話文
– B問題
– イラスト付き会話
– 再生回数 2回
– 難易度 一番低い

1、2文程度の単文に対しての答えを考えることになります。
使われている全文確実に聞き取れるようにする必要があります。
リスニングの試験の中では難易度はかなり低いので絶対に落としてはいけない問題です。

もし苦手なのであれば、まずはこの問題から取り組むようにしてください。

### 共通試験リスニング大問1の先読みでは何をするのか?

最初にどの設問においても、先読みが重要であると述べています。

この設問の場合は、文章が短く、主語は固定されているので、話している人の動作、目的語のみに着目すれば問題ありません。

B問題のイラスト問題についても考え方は同じです。

イラスト同士の違う点に着目してください。
今回であれば、男の子、図書館、家が登場人物となりますので、どのように違っているのかを考えてみましょう、

1つ目の選択肢は、図書館から家に帰っている
2つ目の選択肢は、家から図書館に帰っている
3つ目の選択肢は、図書館から家に帰っている
4つ目の選択肢は、家から図書館に帰っている

このような相違点に着目して、選択肢を読む癖をつけていきましょう。

#### 共通試験リスニング大問1 勉強法は?

この設問で重要なのは、選択肢の一文をすぐに読み切ることと、すぐに聞き取るようになれる瞬発力が重要になってきます。

ここが聞き取れない!と言う人は・・・

読解では偏差値55程度はあって、ここができない!と言う人!

まずは、先読みの徹底をしてください。
これをするだけでも聞くとる精度は大きく異なってくるでしょう。

また、上で紹介した論理パターンについても頭に入れておいてください。
リスニングが苦手な人は、全部覚えて頭に入れよう!という意識が強すぎてしまいほとんど頭に入ってこないケースが多いです。

普段の練習としては、
単文のシャドウィングと自身でもすぐに言えるようにする練習が必要です。

共通試験リスニング大問2の分析

続いて、大問2を見ていきましょう。

大問2の特徴

– 短い一方的な会話
– イラスト
– 再生回数 2回
– 配点 12
– 難易度 低め

この設問も難易度は低めです。
設問文とイラストを見てどのように文章を予測するのかが鍵になってきます。

### 共通試験リスニング大問2の先読みでは何をするのか?

それでは、大問2の先読みの仕方を見ていきましょう。

上記の問題を見て、設問部分を読むのと、それを解くのにあたり、目安となりそうな大きなものは目に入れておいてください。

今回の場合であれば、クリスマスツリーの場所が4箇所ある中で、テレビ、ドアというのは大きなキーポイントになるでしょう。

#### 共通試験リスニング大問2 勉強法は?

共通テストの大問1と変わりませんが、
この部分においても基本的な英文の理解と中学レベルで習うような基本的な英単語がすぐに使えるように、頭の中で出てくるようにしておくと良いでしょう。

このレベルの単語についてはユメタン0がおすすめです。

共通試験リスニング大問3の分析

大問3の特徴

– 短い一方的な会話
– イラスト
– 再生回数 2回
– 配点 16
– 難易度 やや上がる

ここまで来るとようやく一般的なリスニングの試験のレベルですね。
苦手な人はちょっと難しく感じるかも知れませんが、ここで大事なのは、ディスコースマーカーの転換点に注意して聞くことです。

### 共通試験リスニング大問3の先読みでは何をするのか?

まずは、大問2と同じく日本語の設問文が重要になってきます。
また、今回は英語の設問文が書いてあるので、こちらも確認しておきましょう
確認する点としては、
どのような疑問文が使われているのか、また内容語を捉えるようにしてください。
特に名詞と動詞です。

また、選択肢についても見ていきましょう。
選択肢は 相違点に着目してください

今回であれば、主語がパスタとピッツアでわかれているので、どちらを言っているかによって切ることができますね。

#### 共通試験リスニング大問3の勉強法は?

この大問3についてはこれまでのセンター試験リスニングの過去問を使うのが有効でしょう。
大問1、大問3Aが類問になるので、この過去問を使うと良いでしょう。

共通試験リスニング大問4の分析

ここからが、共通試験の新形式の問題になっています。

大問4の特徴

– 短い一方的な会話
– イラスト
– 再生回数 2回
– 配点 16
– 1回のみ
– 難易度 やや上がる
– A問題
– イラストの順序
– 完全解答 4
– 表を埋める
– 各1点
– B問題
– 条件を見極める
– 列挙型
– 4点

大問4から、難度が上がり、また共通試験独自形式の問題になるため、対策が練りづらくなります。

A問題とB問題があり、形式が全く異なります。
それぞれ対策を立てて臨みましょう。

#### 共通試験リスニング大問4の先読みでは何をするのか?

A問題について
まずは問1からです。この問題は状況とイラストを見て、ランダムに並んだイラストを正しく並び替える必要があります。

イラストを無目的に見てはいけません!
状況も踏まえて、ある程度予測を立てて聞いていく必要があります。

続いて、問2を見ていきましょう。
この問題は、表を見て埋めていく問題です。

表と聞くと順番に固有名詞を列挙をしていくだけで、聞くのは簡単!と思いがちですが、、
単にどのように分けていくかのルールを述べるだけのこともあるので、
どのようなルールによって分けられているのかの注意しましょう。

ルールというのは例えば、、、
150センチ-160センチの人はBグループ、160-170センチの人はCグループのような基準です。

■B問題について

状況と条件を見て、それに合うものを聞いていきます。
先読みの段階で、 状況よりも条件をある程度頭に入れておく必要があります。
先読みの段階で聞いて、聞きながら選択肢を処理していってください。

共通試験リスニング大問4の勉強法は?

A問題とB問題で結構問題形式が異なるので、別々に分けて考えていきましょう。

####A問題

まず確認しておきたいのは、A問題の1は完全正答のみが点数となります。
また、この形式の問題はあまり例がありません。
どうしても満点近くを取らないといけない・・という人以外は、この大問1は対策を後回しにしても良いでしょう。

2については、区切れ目が分かりやすく聞き取りやすいため点数もとりやすくなります。カテゴリーを意識して聞くように練習を積んでいきましょう。

####B問題
B問題については英検準1,1級の問3のリスニングが似ています。
そのため、こちらを多くやっておくと良いでしょう。

共通試験リスニング大問5の分析

大問5の特徴

– 難易度高い
– 配点 20点
– ディスコースマーカーのチェック

共通試験の問題の中で 最も難しい設問です!
対策を立てただけでは難しく、本質的なリスニングの学力が必要となりますので、どのようにしたら良いのかお答えしていきます。

共通試験リスニング大問5の先読みでは何をするのか?

先読みをしないで聞いてしまったら非常に難しく、おそらくほとんどの受験生が解けなくなってしまうでしょう。
ワークシートを具に読むようにしてください。

めちゃめちゃ難しいように思われるこの設問ですが、実はワークシートを読むと話の展開は書いてあります。

時系列型で展開しており、2020年までの技術の変化と職業数の違い、
その後に過去では19世紀と今日ではどのように技術と職業が入れ替わったのかという展開になっているとわかります。
話の筋がわかれば、後は聞くだけなので途中で聞こえた単語を入れていってください、

とはいえ、一方的に聞く必要のある問題なので、難しい設問です。

続いては、前の設問の続きを聞く問題となっています。
図と講義の内容を踏まえて、答えを解く問題です。
リスニングの問題だから、ちゃんと聞かないと解けない!と思いきや、、
この問題は リスニングをあまり聞かずとも図だけで解ける場合もありそうです。

試行調査の場合は、選択肢と図のみで答えは推定できます。
この問題については、確認のためにリスニングを聞くというイメージ感で大丈夫です。

共通試験リスニング大問5の勉強法は?

苦手な人は難しいですが、まずは英検準1級のリスニングから挑戦するのが良いでしょう。
そちらのリスニングで聞く練習をした後は、IELTSのリスニングが似ているテスト形式が出題されているので見てみると良いでしょう。

また、内容は長文問題ででるような社会的な問題の評論問題が出ると予想されますので、
英語の学力とプラスして図を読み取る力と社会問題に対しての関心も必要となるでしょう。

共通試験リスニング大問6の分析

それでは、最終問題の問6を見ていきましょう。

大問6の特徴

– 難易度高い
– 配点 20点
– A
– 直接的に言及するわけではない
– 各々がどちら側についているのかをチェックする
– 8点
– B

共通試験リスニング大問6の先読みでは何をするのか?

最終問題もAとB問題にわかれていますので、分けてみていきましょう。

■ A問題について

A問題は共通テストの中でも簡単な部類の設問です。
なのでこれまでの部分での対策ができていれば、問題ありません。
ただし、先読みはこれまでと同じ通りに違う点に着目して、読んでいくように心がけてください。

■ B問題について
本設問において難しいのはB問題です。
議論があり、A問題に引き続いての議題の対話となっています。内容自体はつながっていないのですが、論点は引き継がれます。
対話自体は共通試験の中では長めです。

議論の中での違う人の炙り出しをする設問とグラフがあります。
誰が何を喋っているのかは明確に意識をして(余裕があればメモを取る)、勉強をしてください。

共通試験リスニング大問6の勉強法は?

A問題は苦手な人でも点を取りやすいので、何度も行なって着実に点を取れるようにしてください。

B問題の複数人(試行調査だと4人)の意見を聞くというのはなかなか難しいです。
試行調査の問題をおこなっておくのと、過去のセンター試験リスニングの試験大問4が似ていますので、こちらを解くと良いでしょう。

##共通試験リスニングは対策と日頃のリスニング力で乗り切る!

共通試験リスニングは一見見たことのない問題が多く難しく捉えがちですが、
一部は過去のセンター試験と似ている部分もあります。
なので、使える部分は使っていきましょう。

また、日頃のリスニングの勉強ですが、スタディサプリの英会話・英語特化版ががおすすめです。

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