文法

英語指導のプロが英文法書おすすめの参考書・勉強法【完全版】12冊+α| 初学者から上級者まで完全対応

文法

本記事では、おすすめの英文法の参考書をお伝えします。
英文法は英語の要です。
文法を理解せずに、英語を使いこなすことはできません。

なぜ英文法を学ぶのか?

これまでに私が数百人英語を個別で教えてきています。

「英語ができない!」という生徒の多くの場合、
英文法の理解が不十分でただ単語の羅列で読めるような雰囲気になっている場合が多いです。

英語は
それぞれの単語の品詞としての役割とその並び順によって意味が変わってくる言語

です。

英文法を理解するというのはこういったことを理解するということです。
品詞の重要性についてはこちらの記事で述べていますので確認ください。

英文法を学ぶ際に注意することは?

第一に、 英文法を学ぶ=四択の問題を解くことと考えてはいけません!

確かに、多くの場合英語を学ぶことは資格や入試を受けることとセットとなっているため、
問題を解くということに焦点を絞って勉強を行うと一見効率的でしょう。

ですが、この方法だけだと、

理解を伴わずにただ問題を解いてしまう危険性も孕んでいますので注意してください。

またもう一つ重要な点としては、英文法それぞれの関係性に注意するということです。
個別で解いていくと確かに英文法の問題は解けるようになるのですが、
単に英文法の問題が解ける=英文法同士の意味を繋げて理解ができるようになるとはなりません。

個別の問題を解けるだけでなく、

「それぞれの文法項目を何のために使っているのか?、
他の文法項目との違いは何か?」

という点を考えて勉強をしていくと良いでしょう。

英文法のおすすめの勉強手順

本記事では、レベル別に英文法の教材を紹介しています。
上記で述べた注意点を踏まえて、自身のレベルに合わせた教材を行なってください。

レベルを間違えて勉強しても英語はできるようにならないので注意してくだいね。

英文法|初学者向け

想定レベル

勉強をあまりしてこなかった高校生や社会人の英語やりなおしの方に向けての英文法の参考書

初学者はドリル教材を多めに!

初学者が乗り越えなければいけない壁は、まずは続けるということです。

特に英語に対して興味がない段階だとこの段階でつまづく場合が多いのです。

そのため、
手を動かしてやった気にもなれるドリル形式の教材を多く選定しています。

もちろん、手を動かしながら理解が伴えば良いのですが、、
独学で行うことを想定すると、
何でもかんでも初めから完璧に理解をするのは難しいです。

そのため、まずは進んでいるという実感を得るためにも、
ドリル形式で穴を埋めながら進めてみることをおすすめします。

復習のためにコピーを取るまたはノートに記載する

勉強の基本は復習です。
何度か読むことで理解を促すことができます。
特に未修のことだと尚更です。
なので、何度もできるようにコピーを取るかノートに書くようにしましょう。

出てくる英文を意識的に暗記する

各英文法に対して、意識的に英文を覚える必要があるでしょう。

初学者向けの教材

それでは初学者向けの教材を確認していきます。

ハイパー英語教室楽しく!わかりやすく!スッキリ!中学英文法

おすすめ度★★☆

東進大岩先生です。
中学英文法を一通りドリル形式で学ぶことができます。
特段わかりやすい!というわけでもないのですが、図やイラストが多く初学者には続きやすくおすすめでしょう。
巻末に英文がまとめて載っているのと、三単元のまとめがあるので、行なってみるのはおすすめです。

Mr. Evineの 中学英文法を修了するドリル Mr. Evine

おすすめ度★☆☆

初学者にはやや難し目の英文法項目を扱っているため、完全初学の人には向かないです。
一方、昔ある程度英語ができていたけど、、忘れてしまったという人には、
おすすめです!

基礎からのジャンプアップノート英文法演習ドリル

おすすめ度 ★★★

中学、高校レベルの英文法を一冊で一通り学ぶことができます。
中学レベルの英文法は聞けばわかる!という人であれば、独学で進めても効果を保って使うことができるでしょう。

この一冊を終えて余裕のある人は、基礎からのジャンプアップノート英文読解演習ドリルを、行うと良いでしょう。

この二冊を理解するだけでも短期間で、英語の基本を学ぶことができます。

英文法|初中級者向け

高校英文法の一通りは学べた!という人は、長文読解に移行すると思いますが、その際にこの英文法わからない!ということに出会すと思います。
そのような時に参考書として、手元に置いておく一冊を紹介します。

想定レベル

英文法の基本は学んで、長文読解に入れるレベルの人

Evergreen

おすすめ度 ★★☆

大学受験生の定番中の定番の文法書といえばフォレストですが、
その執筆陣はそのままに生まれ変わったのがEverGreenです。

アトラス総合英語 英語のしくみと表現

おすすめ度 ★★★

高校レベルの英文法を学ぶ上で持っておくと良いでしょう。
大学受験レベルの英文法については、アトラスを使いこなすことで着実に身につけることが可能になります。
このアトラスの良い点は、ロングマンから例文を引っ張ってきているので覚えやすい英文が3000例文近くあるという点と大学受験で出る文法項目に対しての網羅度が高いです。

ちなみに基本例文はこちらで音源が無料で公開されています。

『ATLAS English Grammar and Expressions アトラス総合英語』HPデータダウンロードページ
桐原書店『ATLAS English Grammar and Expressions アトラス総合英語』のHPデータダウンロードのサイトです。

一生モノの英文法 COMPLETE

おすすめ度 ★★☆

英語が読めるようになる!という認識を得るための基本的な知識が詰まっています。
英文法書というよりは読解をするための英文法書になります。

ただ、巷に出ている英文解釈書とは違って、
ただ訳していくだけではなく、 文章に出てくる文法の原理原則を丁寧に説明してくれています。

最初に出てくる8文型など全体的なレイアウトから初学者にはとっつきにくいのですが、
ちゃんとものにすることができれば、英文を理解する上での盤石な基礎学力がつくでしょう。

使い方としては、本書だけでは理解しているかどうかを確認するのが難しいので、
下記のような解釈書はあった方がよいでしょう。

英文法|中級者向け

大学受験レベルの英文法は頭に入っていて、
もっとネイティブの感覚に近い形で英文法を理解するために使用できる英文法書です。

まずは学校文法からの理解をする

一見わかりやすく感じるネイティブの感覚を理解するという認知文法の領域ですが、
学校で習う基本文法の理解・暗記なくして効果を100%実感することはできません。

丸暗記はよくない・・という話をよく伝える著者はいますが、
100%これが正しいわけではありません。

なぜならば結局、
言語を使いこなせるようになるには『覚える』というプロセスが絶対必要だからです。

冠詞や名詞の加算不可算といった日本語にはない概念はなかなか理解し難いため積極的に本書のグループの教材を使っていくと良いでしょう。

1億人の英文法

おすすめ度 ★★★

言わずとしれた大西先生による著書になります。
イメージ英文法と言えば大西先生と言うほどに今ではなっていると思います。
私も本書を初めて見たときにはこれまでの英文法の感覚を崩されこんな考え方もできるのかと驚いた記憶があります。

具体的にはどんな感じかといいますとこんな感じです。

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絵がカラフルでしかも独特!
しかも例文が通常の英文法の参考書に載っているものよりユニークで覚えやすいものが多いです。

1億人の英文法の気をつけるべき点

目次が独特

どういうことかというと・・
Part1 英文法の骨格
Part2 修飾
Part3 自由な要素
Part4 配置転換
とあまり通常の文法書ではみたことない作りになっています。
なので、まずは通常の英文法の構造が入ってないとこのような特殊なケースは適用できません

ですので、完全な初学者にはおすすめ致しません。

索引がついていない

また本書には索引がついていません。
下記からダウンロードできます。
http://www.toshin.com/books/pdf/INDEX_111213.pdf

表現英文法

おすすめ度 ★★★

表現英文法についても1億人の英文法と同じく田中先生と言うイメージで英文法を考える上で重要な役割を果たしている英文法になります。
この参考書は同じくイメージでわかりやすく書いてあると言う手もありますし、 1億人の英文法よりも言語化表現が詳しくどちらかと言うと表現としては固いです。
なのでどちらかと言うと専門書よりになるのかなと感じます。

従来の英文法の考え方ではなく、発信ができるように!という根本の考え方は大西先生と同じです。

どちらか一冊あれば良いのかな?と思います。

  • 説明重視→表現英文法
  • イラスト・イメージ重視→1億人の英文法

表現のための実践ロイヤル英文法

おすすめ度 ★★★

こちらの教材も 表現英文法1億人の英文法とともに中級者が購入する際に選定の1つとなる参考書となるでしょう。
この教材は他の2冊と違って基本的には学校英文法 延長線上にある参考書と言って良いでしょう。そのため他の2冊と比べるととっつきやすさはあります。
そのため大学受験生であっても使いやすいものであると思います。
またこの1冊でほとんどの英文法項目は網羅されているため英文法を理解するのであればこの1冊あればOKと言う一冊になっています。

また別冊にある「英作文のための暗唱用英作文 300」は、
英語を発信する骨格を作る上で覚えておくべき教材になるでしょう。

中学英文法の例文を「ハイパー英語教室楽しく!わかりやすく!スッキリ!中学英文法」で覚えた後には、
300を覚えると良いでしょう。

「英語のしくみ」を5日間で完全マスターする本

おすすめ度 ★★★

のちに説明する「現代英文法講義」の濃縮版という印象。
この教材も 中級者向けの教材になりますですが前3冊の本とは毛並みが少し異なります。
まず本書のタイトルからこの教材は何か楽して理解できる本なのかなぁと言うイメージが出てきますが
実際は本格的な英文法説明になっており、タイトルからのイメージとはちょっと違うかなぁと言う印象を受けます。
ですが、本書の内容はかなり論理的に説明がなされています。
これまでに英文法を学んでいて不思議だなと思ったことの多くは本書で解決できるのではないかなと思います。

たとえば・・話す書くときの分詞構文の処理の仕方であったり、情報構造についての説明、敬語とししての表現であったり・・
これまでの3冊がこれまで習った学校英文法を体系化することに重きを置いているとするのであれば、本書はさらに一歩新しい視点を与えてくれています。

この後に説明する中上級の圧縮版とも言える教材となっています。
薄さという点では確かに5日間で理解ができる内容ですので、
英文法をさらに磨き上げたい人は読んでおくと良いでしょう。

中上級者向け

ここからの教材を読む上で理解をしておきたいのは、これまでの教材のような読んですぐ点数につながるような 即効性はないということです。
大学受験や資格試験で点数を出したい!という人は別の問題集をやりこむ。という方が効率的です。

点数に伸び悩みを感じている・・というレベルの人が読んでもあまり効果は期待できません。

英文科に進む人はもちろんのこと、英文法好きであれば、高校生でも読みこなすことは可能です。

想定レベル

既存の英文法も、イメージ英文法もクリアしてさらに英語を学問として専門的に学んでいきたい人向け

英文法解説

おすすめ度★★★

名著・江川の英文法です。
英語をプロとして使うのであれば、読み込んでおく必要があるでしょう。
出てくる例文のレベルは高く、何度も読んで自分のものにすると良いですよ。

「この言い方の違いを知りたい!」「うまく訳せないかな・・」というような知的欲求を満たすことができるでしょう。

スタイルとしては、例文があって解説部分で説明していく形となっています。
この解説部分では、各英語表現の違いがどのように違うのか?の説明がわかるようになっています。

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また、初心者、中級者向けの英文法書では掲載されてなかったような名詞構文の詳しい解説や訳し方が記載されているのも良いところです。

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こんな感じで練習問題もついているので、ぜひ取り組んで理解を深めていきましょう。

江川の英文法が難しい!と感じた人は「英文法総覧」を読んでみると、シンプルでわかりやすく感じるかもしれません。

新英文法概説

おすすめ度★★☆

英文法の本というよりは文型の新しい考え方を学ぶことができます。
従来の5文型では説明のつかない事象を説明しており、別の文型を考える必要性を説いています。
またその上でこれまでの学説の変遷等も説明してくれています。

こちらの記事でも紹介したのですが、5文型を使っていて馴染めないな・・という違和感を感じた人は読んでみると、世界が変わる感じがするでしょう。

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現代英文法講義

おすすめ度★★★

現在日本ででている英文法書の中で一番詳しく掲載している英文法書ではないでしょうか。
価格は他の本の2冊分はあるのですが、英語をプロとして使っていくのであれば、
購入しておいて損のない一冊となっています。

情報構造の部分では他書では説明が少ない部分です。
他書では強調をしている!という一文で終わってしまう説明も新情報、旧情報という観点から説明を加えてくれています。
この部分は凝縮した説明であれば、
「英語のしくみ」を5日間で完全マスターする本にもあるので、こちらを先に読んでもっと用例が知りたい!となったならば是非読んでみてください。

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番外編 英語で英文法を学ぶ

英語をもっと専門的に学びたい!という人は上記の教材に加えて、
「A Comprehensive Grammar of the English Language」は見ておく必要があるでしょう。
上記で紹介した文法書でQuirk et al.として紹介されている名著です。

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加えて、「The Cambridge Grammar of the English Language」も同様に
現代英文法を英語で包括的に専門的に理解する上でおすすめです。


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