前提条件
まず初めに、英語を本質的に理解する上で学校文法で習う品詞8種類の存在を認識しておく必要があります。
学校文法で習う品詞8種類とは?



名詞、代名詞、動詞、形容詞、副詞、前置詞、接続詞、間投詞が存在します。
学校で習う全ての文法項目は、このうちのどれかに分類されます。
習う際に品詞を意識して覚えることが少ないのですが、
この品詞を覚えて理解を進めていくことで効率が全く異なる、というかそもそも
品詞がわからないと英語を使いこなすことはできません!
なので、これまで品詞を知らなかった人、
意識をすることができなかった人は品詞を意識するようにしていきましょう。
それでは、それぞれの品詞をみていきます。
名詞(Noun)-文章の主人公
ものの名前や人の名前など文章の中で中心的な役割を果たす品詞です。
文章の中心となり非常に重要な品詞です。
people, desk と言った単語がこのグループに属します。
代名詞(Pronoun)-名詞の代わり
その名の通り名詞の代わりとして使われます。ですが、一度出てきた名詞に対してつかわれるため、重要度としては先ほどの名詞ほどではありません。
ですが、文章を読む上では何を指しているのかを掴んで読まないと話はわかりません。
She, I といった単語がこのグループに属します。
動詞(Verb)-主語の動作
名詞と並び英文の中で重要な役割を果たします。主語となる名詞の動作を表します。
LikeやWorkといった単語がこのグループに属します。
形容詞(Adjective)-名詞を強調
名詞を修飾し他の単語と比較し、強調したりする際に使われます。
red, importantといった単語がこのグループに属します。
副詞(Adverb)-さまざまものを修飾
場所、時、程度によって動詞を主に修飾するが、動詞以外にも形容詞や、文章全体を修飾したりすることができる。
however,here,quicklyといった単語が含まれます。
前置詞(Preposition)-セットで役割を果たす
名詞とセットで前置詞のかたまりをつくって役割を果たすことが多いですが、それ以外にも動詞などとセットになることで役割が発揮されます。
in , on といった単語がこのグループに属します。
接続詞(Conjunction)-語と語、カタマリとカタマリ、文と文を繋ぐ
主に文と文を繋ぐのに使われます。それ以外にも単語と単語や句や節(わからない人は後ほど説明します)といったカタマリを繋ぐために使用されます。
andやorといった単語がこのグループに所属します。
間投詞(interjection)-一瞬の感情や挨拶を表す
日本語で表すと「あっ」というような言葉や、挨拶などを表します。
hello、Ohといった単語がこのグループに属します。
品詞をグループにわけると・・



品詞を文章における情報の意味という観点から考えると、機能語と内容語という分け方ができます。
それでは具体的にそれぞれの役割を見ていきましょう。
機能語とは
前置詞・接続詞・助動詞・代名詞
どの文章で使われても意味の違いはなく、その役割自体に意味がある。
使われる場面が決まっているため、リスニング、スピーキング時に強調を入れることはありません。
内容語とは
名詞・形容詞・動詞・副詞
文章における内容を表します。
機能語と異なり文章ごとに特有の表現となり、文章における重要な役割を占めています。
文章に応じて意味が異なるので、その文の特有さを表します。
そのため、リスニング、スピーキング時に強調が入ります。
品詞と語順の区別をする
ここまで8大品詞を見てきましたが、、、
品詞はあくまで単語(または句や節)自体の役割を説明するものです。
よく混乱しがちなのが、品詞とSVといった文型をごちゃごちゃに考えてしまうことです。
この二つは学問分野としても統語論(文型)と形態論(品詞)という形でわかれています。
- 単語それぞれの役割である品詞と文型の区別を間違えない!
- 品詞→ 形態論
- 文型→ 統語論
そのため、品詞がわかっても単語と単語の修飾関係をわかることができますが、、文章の意味を理解するということはできません。
文章の意味を正しく理解するためには、文型を理解していく必要があります。
文型については長くなってしまうので、またの機会にお話ししていきます。
品詞をもう少し深掘りしていこう
文章の中で品詞と文型という二つの役割が存在することがわかった上で、もう少し品詞を深掘りしてみましょう。
全ての単語(かたまり)は4つの品詞に変換できる
ここまで、名詞、代名詞、形容詞、副詞、前置詞、接続詞、間投詞といった8つの品詞を紹介していきました。
ですが、文章の中では単語は基本的に名詞、形容詞、動詞、副詞という4つの役割に集約されます。
ここでは、それぞれの役割に着目し名詞、形容詞、動詞、副詞の4つの品詞に変換をして考えてみましょう。



前置詞+名詞で形容詞または副詞扱いとなる。
代名詞や助動詞というのはそのままなので納得がいくと思うのですが、
初学者でつまづきやすいのが、
前置詞+名詞をセットにして考えると形容詞や副詞になるという考え方です。
例を見てみましょう。
(a)eat at a hotel(ホテルで食事をする)
(b)a girl with green eyes(青い目をした女の子) 『新英文法概説』
(a)が動詞を修飾する副詞として機能しており、(b)は名詞を後ろから修飾する形容詞(叙述用法)として機能しています。
後置修飾は初学者にはなかなか理解がし難いので、同じ文章を何度も読んで理解をしてください。
- 前置詞+名詞でセット
- 形容詞か副詞になるのかの判定をする
4大品詞の役割をさらに深掘りをしていく
ここからは4大品詞の役割を基本性能とその役割も踏まえて説明していきます。
名詞をもっと深掘りして考える
名詞を品詞の視点と文型の視点からさらに考えてみます。
名詞にはいろいろと種類がある
名詞には可算名詞、不可算名詞といった分類があるのはよく知られていますね。
この分類を含めた普通名詞、集合名詞、物質名詞、抽象名詞、固有名詞という分け方ができます。
品詞を拡大して考える
品詞として名詞に分類されるものには、apple,Johnといった1単語の名詞だけでなく、
名詞を含んだ形容詞、冠詞を含んだかたまり(名詞句)として、とらえることができます。
例として具体的に考えてみましょう。
前からの修飾と後ろからの修飾を使って名詞のかたまり(名詞句)を作る
拡大の例として、前からの修飾と後ろからの修飾について考えてみましょう。



前からの修飾には、限定詞(冠詞、代名詞を含んだ総称)、形容詞(分詞含む)、名詞(動名詞含む)を使った修飾があります。
- an extremely old manuscript
- Ministry of Defence officials
- some wonderfully warm woollen blankets
後ろからの修飾には、前置詞、形容詞(不定詞、分詞、関係詞含む)を使った修飾があります。
- a house as big as I have ever seen
- the nightlife in Paris
- the photographs of Paris which her father had taken
*今回は、単体の名詞を中心に考えたかったため名詞句について解説しましたが、名詞には別の塊として名詞節もあります。
文型の視点で考える
名詞は文型の視点で考えると、主語、目的語、補語になるのがわかります。どの要素も文章の中ではなくてはならない存在です。
名詞は文章の中でなくてはならない=何かしらの要素になってしまうため、うかつに入れることはできません。 名詞を文章の中で使うときには「主語なのか?」、「目的語なのか?」、「補語なのか?」を考えて使う必要があります。
動詞をもっと深掘りして考える
動詞を品詞の視点と文型の視点からさらに考えてみます。
品詞の視点で考える
品詞としての動詞の役割を考えてみます。
動詞には時制としての活用と状態動詞、動作動詞、他動詞、自動詞といった分け方があります。
形容詞をもっと深掘りして考える
形容詞を品詞の視点と文型の視点からさらに考えてみます。
品詞の視点で考える
形容詞には限定用法(前から)と叙述用法(後ろから)の二つの使い方があります。
通例前から修飾することとなる限定用法では分類的な特徴で、使用する形容詞が永続的に続く場合にもちいることになります。
She married a rich businessman. (現代英文法講義 -安藤貞雄)
*richなのは永続的とまでは言えないが、少なくとも数ヶ月程度には及ぶのでこの分類となるのでしょう。
また、後ろから修飾することとなる叙述用法では名詞の状態を述べる際に使われて、一時的な状態や単なる付加的な補足情報を表すことになります。
This flower is beautiful. (現代英文法講義 -安藤貞雄)
*この場合は花が美しいというのは一時的で本来は美しくない場合もあるが今は美しいというニュアンスも含むことになる。
文型の視点で考える
形容詞が文型の要素として入る場合は、補語として扱われます。
補語ということは役割としては、叙述用法として使われることになることがわかります。
限定用法として使いたい場合は、名詞句を作って前から修飾することで可能になります。
叙述用法と限定用法の意味の違いは例外も存在するので、通常時は上記のような分け方ができるという理解をしておいてくだい。
副詞
副詞は様々な形で使用するので用例が多くなりすぎます。
今回の記事は初学者向けですので、副詞についてはまずは動詞を基本的に修飾するということを覚えておくと良いでしょう。
また、副詞は従来学校で教わる5文型で考える場合は通例含みません。ですが、7文型、8文型といった拡張文型を用いる場合は、文型の中に入りますので注意してください。
5文型は間違ってはいませんが、使えない場合も多々あるので、私はあまり教えていません。
どのあたりが使うことができないのか?というのは本ブログでもまとめていきますが、『新英文法概説ー山岡洋』に詳しく掲載されていますので気になる人は読むことを推奨します。
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